【映画】アンダー・ザ・ウォーター

出張先のホテルでたまたまコイツを観る羽目になった。

見放題なのに全く知ってる映画が無く、比較的マシそうだったから、本当にそんな後ろ向きな選択だった。

 

おそらく特撮もCGも使ってない、全然未来感のない映像で早々に変えてしまいたくなった。

しかし、ハリウッド映画とは何かが違う、そしてドイツ語っぽい非英語圏の目新しさに少しずつ見入っていった。

 

もうね、SFとしての科学考証が完全に破綻してる。

まあ、過去にタイムワープする時点で科学的には破綻するんだけど、そんな生易しい破綻じゃない。(笑)

この映画が楽しめるかどうかは、そう言うシナリオの詰めの甘さを笑ってスルー出来るかどうかにかかってる。

それがクリアできれば、ストーリーは凄く良く出来てると思う。

 

2095年の地球は海面上昇で各地が水没し地上の生物は人類も含めて絶滅の危機に瀕している。

海に覆われる訳だから塩水に侵食され淡水が絶望的に不足している。

この状況の打開策として2017年に海水を淡水に変える画期的な技術が完成直前に失われている「過去」に求めることにした。

要は2017年へタイムワープしてその技術を2095年の現在へ持って帰ろうというのだ。

問題は過去を変更してしまうと未来に何が起こるか分からないので、技術だけ手に入れる必要がある。

そこで特殊能力を持った人間を2人に分身させて、片方を過去にタイムワープさせ、テレパシーで技術のデータ情報だけを転送し、こっそり帰って来る。

 

因みにこれ見よがしに量子もつれとかの言葉が出てくるけど、これは量子論のニールス・ボーアが北欧出身なのが深く影響しているのだろう。

分身したお互いが時間や距離を超えて通じ合えるアイデアはまんま量子力学の有名な仮説(後に実験で証明される)だしね。

 

この際はっきり言おう。

少しでも科学的な良心があるなら、こんなシナリオは絶対に思いつかない。

だって塩水の淡水化技術よりも、タイムワープや人間を分身させる技術の方が遥かに難しいよね。(笑)

 

技術が失われた原因は開発者が飛行機事故で亡くなってしまったから。

何とその開発者とはタイムワープする主人公の妻の祖母だったりする。

主人公には塩害で既に瀕死の娘が居る。

と言うことは開発者は主人公の義理の祖母にして娘の実の曽祖母ということ⁈

 

随分と狭い世間だけど、凄くややこしいことになってる。

主人公の心の葛藤や動揺が細やかに描かれている。

もう破綻しまくってるのに、開き直ることなく、ストーリーの必然性を切々と描く姿勢は微笑ましくもある。(笑)

 

そして主人公は初志貫徹する道を選択した筈だったのだが...

最後に大どんでん返しがあるとだけ言っておこう。

 

自分的には凄く楽しめたし、凄く良い拾い物をしたカンジ。

でも全く万人にはお勧めできない。

 

強いていうならば...

ブレラン好きの中の1%

惑星ソラリス好きの中の5%

の人の琴線に触れる可能性はあると思う。(笑)